メール相談
2012年9月25日 茨城県 29歳 女性
Q.唾石症と診断され総合病院に紹介されました。8月の終わりに大きく腫れたのですが、最近は落ち着いてます。歯科医の先生は、唾石が奥(?)の方にあるから十中八九外側からの手術になるだろうといわれました。
仕事もあり、子供も小さいので全身麻酔で何日も入院することは避けたいです。
薬やレーザー治療などでは治らないのでしょうか。また茨城県の近くでそういった治療方法を行っている病院や、入院日数が少ない手術を行っている所はありますか?よろしくお願いします。
A.こんにちは。
ご相談いただきありがとうございます。
腫れたところが顎の下あたりなら、頻度の高い顎下腺唾石症かと思われます。
顎下腺は顎の下の方にある4×2cm位の逆三角形の臓器です。この顎下腺で作られた唾液は細長いホースのような顎下腺管を通って舌の下付近にある開口部まで流れ、そこから唾液が口の中へ排出されます。唾石は顎下腺内部か顎下腺管のいずれかできますが、唾石の位置によって手術法が異なります。
まず、唾石の位置、大きさ、数をCT検査等で確認しなければなりません。顎下腺管開口部に近ければ摘出は比較的容易で外来手術で摘出可能ですが、顎下腺管の深い位置や顎下腺内部に位置する唾石は、唾液腺管を広げて浅い位置に移動しないか経過を見ます。移動がない場合、全身麻酔下での摘出手術となり入院(4〜7日)が必要となります。
その他の治療方法ですが、
- 唾石が浅い位置にあれば、レーザーでも適応症だと思いますが、 これはメスを使った手術でも同じことです。
- 唾石を溶かす漢方薬がありますが、私は漢方薬での唾石症の治療経験がございませんので、漢方専門医にご相談された方が良いでしょう。
- 施設によっては、唾液管内視鏡を使って唾液腺管の深い位置にある小さい唾石(約5mm以下)を摘出処置を行っていますが、全身麻酔下での処置なので入院が必要となります。
- 腎結石, 胆石の治療で行われる体外衝撃波結石破砕術で唾石症の治療 を行っている施設があります。外来通院で治療可能で切らずに済むという利点がありますが、全例について有効で方法ではなく効果がなければ結局手術になります。
- 深い位置や顎下腺内部に位置する場合、経過を観察しながら唾石が顎下腺内の浅い位置へ移動するのを待って摘出する方法もありますが、長期間の放置により顎下腺が炎症を繰り返すと、キュットナー腫瘍(慢性硬化性唾液腺炎)になることもあるので注意が必要です。
松ヶ丘歯科口腔外科医院 医療機関情報